東京残酷警察

またの名を実写版「デビルマン・レディー」

近未来の東京。警察は民営化され、「東京警察株式会社」となっていた。一方、凶暴なミュータント「エンジニア」が引き起こす残虐な殺人事件が多発し、「東京警察株式会社」は「エンジニア」の取り締まりを強化する。そんな中、対「エンジニア」のエースである女性捜査官ルカ(しいなえいひ)は、愛刀を片手に日々彼らとの激闘を重ねていくのだが……。


ストーリーは、そのまんま「デビルマン」(「エンジニア」はどう見てもデーモンである)。それに「バイオレンス・ジャック」が隠し味として少々(あの「人犬」を実写で見られるとは!)。あと『ホステル』だったり『鉄男』だったり『ロボコップ』だったりと、監督の趣味が200%全面展開された作品。/なんでも使用された血糊の量は4トンだったそうである。上映前に監督と撮影監督が飛び入りでフリートークを始め、その中で言っていた。/なるほど確かに血は呆れるほどドバドバ出るが、どう見ても所詮「血糊」でしかない。あの「デビルマン(もちろん漫画版)」において、不動明が、シレーヌが、牧村家の人々が、そして虐殺された牧村美樹の生首が噴出させた鮮血には及びもつかない。あの作品は漫画なのに、本物の「血」がおびただしく流されていた。本作は、その域から遥かに遠い。/しかし、この監督はもっと「できる」人だと思う。本当に殺人が行われているのではないかと見まがうような、一線を超えた「残酷映画」を目指して、さらなる精進を求めたい。