2024年2月の鑑賞記録

悪魔のシスター デジタルリマスター版』シネマート新宿 '24・2・4
『真夜中の処刑ゲーム』(未体験ゾーンの映画たち2024)ヒューマントラストシネマ渋谷 '24・2・4
バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』シネマート新宿 '24・2・9
『ボーはおそれている』TOHOシネマズ新宿 '24・2・27
ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』グランドシネマサンシャイン池袋 '24・2・28

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』におけるハーヴェイ・カイテルは、この男こそマジで「あぶない刑事」だと叫びたくなる、とんでもない悪徳刑事である。このハーヴェイ・カイテルに比べたら、舘ひろし柴田恭兵なんて、せいぜいイキッてる中学生レベルだ。具体的にどのようにあぶないのかは、是非各自確認してもらいたい。
本作はまた、二つの意味で「男泣き」の映画でもある。一つ目は、通常この言葉が使われるような、男性が思わずもらい泣きしてしまうような内容だという意味である。特に今までの人生に激しく後悔の念を抱いているような(僕を含む)中年男性だったら、少なくとも(僕のように)涙目くらいは不可避だ。
二つ目は、文字通りハーヴェイ・カイテルが泣きまくる映画であるという意味。麻薬でラリッては泣き、野球賭博で負けては泣き、キリスト(!)を相手に「今までどこにいたんだ!」と文句をつけながら泣きわめく。主人公が悪徳刑事の映画は結構あるだろうが、その主人公が終始泣いてばかりいる映画なんて本作だけではないだろうか。最初のうちは「よく泣くおっさんだな~」と呆れもするだろうが、映画が終盤に差し掛かると、その涙が本当に尊いものに見える瞬間が訪れるのだ。とにかく中年男性諸氏に激推しの作品である。