アフタースクール

きっと、あなたも騙される(←よくあるキャッチだが、この作品についてはガチ)

母校の中学校で働く教師・神野(大泉洋)を、ある日、元同級生だと名乗る探偵(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。彼は、神野の親友の商社マン・木村(堺雅人)の行方を追っていた。神野は探偵の強引なペースに引きずられて、木村の捜索を手伝わされるハメになるのだが……。


正直言って、こんなに見事に騙されたのは久しぶり。全く先が読めなかった。
ネタバレにならないように注意深く書くと、この作品のトリックは、観客の「先入観」を最大限に利用している。
つまり、本作においては、あなたが観ている人物や状況は、必ずしも、あなたが思った通りのものではない、ということである。
しかも、この作品の素晴らしさは、そのトリックとテーマが、きちんと結びついているという点だ。
この作品のテーマは、ラスト直前で、ある人物がある人物に対して言う言葉に込められているのだが、(僕の解釈では)「人生は、自分の見方次第で良くも悪くもなる」ということなのである。この「見方次第」、重要。
……もうこれ以上は書かない。とにかく是非劇場で観て欲しい。そして、まんまと騙されてください。
それにしても、こんなに緻密で、計算されていて、なおかつきっちりテーマも伝わる脚本が書けて、しかも演出もできる内田けんじという人物が現れたことを邦画界は天に感謝すべきである。