シューテム・アップ

ボク(監督)の考えた「夢のアクション映画」

黒のロングコートを着た謎の男スミス(クライヴ・オーウェン)は、ひょんなことからマフィアに追われていた妊婦を助ける。続けて起こった銃撃戦の最中、彼女は赤ん坊を産み落とすや否や、流れ弾に当たって絶命。やむを得ず赤ん坊を預かる羽目になったスミスは、恐妻家のボス、ハーツ(ポール・ジアマッティ)が率いる追っ手をかわして、昔なじみの娼婦ドンナ(モニカ・ベルッチ)のもとへ向かう。一方、赤ん坊の命を狙うハーツ達も、その後を追っていた……。


この作品、「俺の考えたアクション映画」をわざわざアニメまで作ってプレゼンした結果、企画にゴーサインが出たのだという。アクション映画おたくの夢、ここに実現というワケで、監督としては、さぞや撮影中は夢見心地だったことだろう。/だが、むやみやたらと人が射殺されるような映画ばかり選んで観てきた僕のようなボンクラから見ても、なんかいまいちと感じられたのは否めない。それぞれのアクション・シークエンスは確かにオリジナリティに溢れてはいるが、リアリティに難ありすぎ。でも「Hしながらの銃撃戦」は突き抜けてて良いと思った。/また、ドンナに赤ん坊の世話を頼んだ理由が彼女が「母乳プレイ可」の娼婦だったからとか、劇中でトラブルは全て銃で解決するスミスが実は銃規制派であるとか、そういうブラックな感覚は悪くない。/それとハゲでデブでチビのポール・ジアマッティが三重苦にめげず凶悪なマフィアのボスを好演しており、さすが名優、と改めて感心。/まあ、退屈な時間を埋めるにはピッタリの佳作といったところ。