実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)

それでもやっぱり共感できない

この作品を観たのは実は2週間ほど前。今まで何も書けずにいたのは、この胸の中のモヤモヤがなかなか整理できずにいたからだ。今でもそうなんだが、とにかく無理矢理書いてみる。/最初に覚えたのは「怒り」。こいつらは一体何をやっているのか、と観ていて腹が立ってしょうがなかった。「革命」とか「殲滅戦」とか言っていることは勇ましいが、実際には「総括」という名の内輪のリンチ殺人が延々と行われる。「気絶させなきゃ共産主義化はできない」という珍理論には悪いけど笑わせてもらった。本当にできるもんなら、一人ひとりの胸ぐらつかんで問いただしたい。「お前らが本当にやりたかったことはこんなことだったのか?」と。/僕には全共闘関連の深い知識はない。連合赤軍のことだって、よくは知らない。その時代の事情を知る人の中には「そう一慨には責められないのだ」という人もいるだろう。だが僕は、やっぱりこいつらには共感できない。あまりにも愚かすぎる。あまりにも勇気がなさすぎる。/……と断罪しておきながら、割り切れないものが残るのは、じゃあ、自分はどうなんだ、と。人を断罪するのなら、自分も同じ目で検証しなければフェアじゃない。お前は「総括」をやめさせられたか? こんなもんは「革命」じゃない、「革命ごっこ」だと言い放つことができたか? はっきり言ってわからない。自信がない。だからモヤモヤする。/だから、せめて常に自分を疑うことを忘れないことにした。あと「世の中を良くしよう」などとキラキラした目で語る人間からは一目散に遠ざかることも肝に銘じることにしたのである。