ミラーズ

ジャック・バウアー@ホラー

ニューヨーク市警の刑事だったベン・カーソンキーファー・サザーランド)は同僚を誤って射殺したことから停職処分となり、妹のアンジェラ(エイミー・スマート)のアパートに居候する身となっていた。それでも別居中の妻エイミー(ポーラ・パットン)や子供たちのため、なんとか社会復帰を目指すベンは、5年前の大火災で閉鎖されたメイフラワー・デパートの焼け跡を巡回する夜警の仕事へ就くことになる。デパート内には巨大な鏡がいくつも残されており、やがてベンは、鏡の中に焼けただれた女性の姿を見るなどの怪奇現象に襲われる。さらに、ベンの周囲でも、奇怪な出来事が起こり始めるのだが……。


よくある「幽霊屋敷」テーマのバリエーションかな、と思って観ていると後半思いがけない方向に話が展開し、最後にはちょっとあっけにとられるオチが待っている。テレビのCMで結末の予想正解率0%などと謳っていたが、当たり前だっつーの。誰があんなオチを予想できるというのだ。/アレクサンドル・アジャの、多少の矛盾(いや相当な矛盾でも)は無視して、ひたすらぐいぐい押しまくる演出と、キーファー・サザーランドの、ある意味ウザいほど熱い熱演が相まって、けっこう評価が分かれる感じの作品に仕上がっている。僕は何しろアジャ好きなので、この作品も好意的に評価したい気持ちはやまやまなのだが、なにしろあのオチが……。あれを許すか否かが評価の分かれ目だろう。僕はあんなオチを付けるくらいなら、いっそキーファー・サザーランドが××××になる、とかの方がまだましだったと思う。残念。/それにしてもキーファー・サザーランドはまるっきりジャック・バウアーであった。もしかするとあまり、というより全然演技の引き出しがない人なのかもしれない。特に終盤、完全に力づくで事態を解決しようとするところは完全にジャックだった。これも減点ポイント。/とりあえずアジャには次作で挽回してほしい。期待してます。