製作国：日本
監督：白石晃士
脚本：白石晃士
撮影：白石晃士
出演：大迫茂生／久保山智夏／白石晃士／水澤紳吾／桑名里瑛 他
初公開年月：2015/07/11
★★★☆☆
コワすぎ！的異種族間ラブ・ストーリー
冒頭、どこかの山中で花火を爆発させる不審な男の映像が映し出される。「あれ？」と思っていると、その男が山の中をブラブラしつつ撮影した取りとめのない映像が続く。これまでになかった、いきなり投稿映像から始まるパターンである。
その男・櫻井（水澤紳吾）は、中年・ニート・童貞と三拍子そろったダメ男。そんな彼が山の中の川辺に佇んでいた美少女・つぐ巳（桑名里瑛）と出会い、恋をしてしまう。しかし、彼女とその母（正木佐和）の身辺にはこの世のものではない妖気が漂っていた…という訳で工藤たちの出番となる。
ちょっと気恥ずかしくなるくらいの直球のラブ・ストーリーとして仕上げられた本作は、本業を忘れたかのように櫻井への「恋愛指南（？）」に熱を入れる工藤に違和感を抱きすぎて、正直なところ終盤までいまいち乗り切れなかったのだが、櫻井からつぐ巳への「プロポーズ」のシーンに至って、もう全て許します！という気分になった。こういう形の愛があってもいいじゃないか！という白石監督の主張、全面支持。
ところで、この作品でわかったことは、どうやら「異界」の側も一枚岩ではないらしいということである。本作で描かれたような形で、人間を自分たちのサイドに受け入れることを良しとする者たちも存在するのだ。この辺りの「異界」側の事情が今後のシリーズに関わってくるのかどうか、非常に気になるところである。
また、前作「コックリさん」でも感じたことだが、『超コワすぎ！』シリーズになってからの工藤の「軽さ」がどうにも気にかかる。「コワすぎ！」世界の工藤は、自分の運命に「異界」の力が関与していることを無意識に感じとっていたがために「異界」の住人たちや彼らが引き起こす怪奇現象の取材に執着していたわけだが、「超コワすぎ！」世界の工藤が「何をモチベーションとして取材に臨んでいるのか」という問題と、彼のキャラクターの変化は当然関連しているはずだ。この件は、実はこのシリーズの「肝」なのではないかと密かに推測しているのだが…。
『Rest』（FILE-01スピンオフ）
製作：曇天小屋
出演：大迫茂生／松竹史桜
なんと工藤が、FILE-01の投稿者の少女・純（松竹史桜）を●●させちゃって、××を迫るという、もしかすると「コワすぎ！」＆「超コワすぎ！」シリーズ史上最大の問題作。上記のとおり「超コワすぎ！」になってからキャラクターが変わったとは思っていたが、まさかこういう奴だったとは…。工藤の女性ファンがこれを観たら離脱必至。このスピンオフは、今後のシリーズの伏線なのかどうなのか。
