外事警察 その男に騙されるな(2012)

製作国:日本
監督:堀切園健太郎
脚本:古沢良太
音楽:梅林茂
出演:渡部篤郎真木よう子尾野真千子田中泯 他
初公開年月:2012/06/02
★★★☆☆


というか、むしろ「外道警察」

他のファンの方々は知らないが、僕にとっての『外事警察』という作品の最大の魅力は、主人公・住本(渡部篤郎)による、思わず「この…外道〜〜〜〜〜!」と平松伸二調に叫びたくなるほどにド汚い捜査手法の描写にある。ドラマ版では、テロリストの情報を得るために、善良な一般人を罠にハメて犯罪を犯すように誘導し、寝たきりの夫を介護する健気な人妻の弱みにつけこんで美人局まがいの行為を平然と強要する姿にシビレた。人としては完全に間違っているのだが、国際社会の闇がこのような「歪んだプロフェッショナリズム」を要請するというのは、えも言われぬリアリティを感じさせてゾクゾクするのである。
で、この劇場版なんだが、真木よう子を「協力者」に仕立てるプロセスをはじめとする住本のゲスっぷりよりも、割と複雑なストーリーの絵解きの方に力点が置かれていて、ちょっと残念だった。だが、最後の最後に衝撃のネタが明かされ、まさに外道! やっぱり住本さんはこうでなくっちゃ!」と僕は心の中で拍手したものである。あとは核爆弾の解除コードが、まさかのアレだったのと、尾野真千子がほとんど何もしない点を何とかしてくれていたら、申し分なかったのだが。
しかし、これは真顔で書くのだが、本作は十分に世界に通用するエスピオナージュ映画だと思う。古沢良太ハリウッド進出、可能性あるで。