全員死刑(2017)

製作国:日本
監督:小林勇貴
原作:鈴木智
脚本:小林勇貴継田淳
音楽:中川孝
出演:間宮祥太朗/毎熊克哉/六平直政入絵加奈子/護あさな 他
★★★☆☆


ぶっ殺(さら)われませんでした

2017年11月22日、テアトル新宿にて鑑賞。
この映画、まず思ったのは、主人公・タカノリ役の間宮祥太朗をはじめ、俳優陣の全員が素晴らしかったということ。主人公の彼女役の清水葉月もかなりエロくて良かったけれども、なんと言ってもデビュー当時から注目し続けている護あさなに、僕のストライクど真ん中としか言いようがないタンクトップ姿のエロビッチを演じさせてくれたことにはいくら感謝してもしきれません。彼女が登場した瞬間、思わず画面に向かって合掌しました(心の中で)。
また、冒頭のユーチューバー殺しから始まる、殺人のシークエンスもそれぞれ見せ方に工夫があって大変によろしいと思いました。個人的には射殺シーンがベスト。車内でマズルフラッシュが閃く、あのカットのかっこ良さには痺れましたね。
さらに全体を俯瞰すると、本当に残酷で非道な行為が行われる様を描いているのに笑ってしまうという絶妙なバランスが終始保たれていて、これが商業作品第一作ってすげえなと思ったのは紛れもなく事実。
でも、どうにも余計なことをしてるなあと感じる部分が多々あったのもまた事実で、例えばタカノリが見る変な幽霊。あれ、要らないでしょう。あんなもの出さなくても、あの病院の階段を駆け上がるシーンで見せつけたように、間宮祥太朗は表情だけで殺人によって苛まれていく自分の精神の崩れ様を表現できる俳優なんだから、ことさら幽霊なんか出さなくても良かったんじゃないか。
忘れたころに出てくる無声映画みたいな変な字幕も要らんと思ったし、ラストのある人物の自殺シーンもあそこであんなCG要る?って思った。そして極めつけに要らんなあと思ったのはザリガニです。もうあれでプラマイゼロという感じになった。護あさなのエロビッチでプラス5000兆点、ザリガニでマイナス5000兆点ですわ。だから、この映画ではぶっ殺(さら)われるところまで行かなかったです。