レスラー

崖っぷちレスラー・最期の花道

監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ロバート・シーゲル
音楽:クリント・マンセル
出演:ミッキー・ロークマリサ・トメイエヴァン・レイチェル・ウッド 他
ストーリー:ランディ・ロビンソン(ミッキー・ローク)は80年代に大活躍したプロレスラーだが、今は小さな地方興行に出場して細々と現役を続けている。そんなある日、長年のステロイド常用がたたって心臓発作で倒れたランディは、ついに引退を余儀なくされる。彼は、馴染みのストリッパー・キャシディ(マリサ・トメイ)や、疎遠になっていた娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に心の安らぎを求めるが……。


落ちぶれたプロレスラーの最期のひと花としては、あまりにも侘し過ぎるエンディング。それに泣かされた。
娘や、キャシディのことを全く考えていない、自分勝手極まりないなどと批判することは容易い。しかし、リングの上にしか自分の人生の輝きを見出すことができなかった人間が選ぶ末路としては理にかなっているとしか言いようがない。
他に生きる術を持たない、不器用すぎる男の切実さを、本作ではミッキー・ロークはまさに実人生を重ね合わせて熱演している。人生思うようにいってない全ての人、必見。
……だからこそ、先日の、ミッキー・ロークがWWE本格参戦を希望しているという開いた口がふさがらないニュースを耳にした時は、「俺の感動を返せ!」と憤ったもんですよ。何もそこまで実人生とシンクロさせんでもいいだろ(苦笑)。