REC/レック

実録! ゾンビアパート密室地獄篇

夜間に働く人々の仕事に密着するドキュメンタリー番組のレポーター、アンヘラ(マニュエラ・ヴェラスコ)はカメラマンのパブロ(パブロ・ロッソ←撮影監督兼任)と共に、その夜は消防士の同行取材を行なっていた。深夜、あるアパートの住人から通報が入り、消防士たちと共に現場へ急行する二人。警官たちも駆けつけたそのアパートで、彼らは凶暴化した老婆に襲われる。アンヘラと消防士たちは、老婆によって重傷を負わされた警官を運び出そうとするが、警察によってアパートは外から封鎖され、住人たちと共に隔離されてしまう。このアパートの住人は未知の病原体に感染しているというのだ……。


クローバーフィールド〜』同様、終始、手持ちカメラの主観映像で描かれる『28日後…』閉鎖空間ヴァージョン。激狭なアパート内に閉じこめられて外部に逃げられない上に、『28日後…』タイプの全力ダッシュしてくるゾンビに襲われまくる(しかも丸腰)という、まさに悪夢的なシチュエーションである。/進行中の事態をひたすら録画し続けているという設定だから、劇中のあらゆる事件は何の前触れもなく突然起こるので、観客は一瞬も油断できない。臨場感と緊迫感は最後のカットまで途切れなく続く。このP.O.V.(ポイント・オブ・ビュー=主観撮影)という撮影技法は、ホラーに一番向いているのではないかという気がした。/主人公のアンヘラ役のマニュエラ・ヴェラスコ(実際にテレビのレポーターだったという)が迫真の演技を見せている。また「パニくっているTVカメラマン」を演じつつ、手持ちカメラを振り回しながらも撮るべきものは、しかるべくバッチリ押さえているパブロ・ロッソがGJ。/従来のゾンビ映画に食傷気味のマニアなアナタにおすすめ。