スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

血まみれカットスロート・ミュージカル

ミュージカルと西洋時代劇という、僕にとっての二大苦手ジャンルに属するこの作品。果たして面白く観られるのか? 不安半分で劇場の座席に腰を落ち着けたのだが……、いやコレ面白いじゃないの。
ジョニー・デップは景気良くスッパスッパと客たちの喉をかき切り、ヘレナ・ボナム=カーターは彼らの肉で人肉パイを作り、売りまくる。陰鬱な色調で統一された画面の中で、犠牲者の喉から迸る血だけは見るも鮮やかだ。殺人と人肉食というタブーの侵犯が美しいミュージカルナンバーと共に繰り広げられ、ブラックな風味を作品に与えている。
一応デップを陥れた悪徳判事への復讐というメインストーリーはあるものの、復讐を果たすまでのデップは完全に殺人鬼になり果てており、それを反省などしない。人の喉をスパスパ切りながら妻子への愛を堂々と歌いあげる。このキチガイぶり、もう大好きと言ってもいい。
あとヘレナ・ボナム=カーターの腐りかけの肢体も熟女マニアの僕としてはGOOD!