転々

借金をチャラにしてもらう条件で、しぶしぶオダギリジョー三浦友和と吉祥寺から出発して霞ヶ関を目指す。二人が歩むのは再開発から取り残されたような、どこか懐かしい東京のエアポケットのような場所である。このあたりは実にいい。一緒に歩いてみたくなる。しかし後半、よくわからない事情から「疑似家族ごっこ」みたいなことになってくると、映画はそこで停滞する。そこにイラッとした。最初から最後まで「転々」し続けてほしかった。
(白)