ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え! (2020)

製作国:アメリ
監督:ディーン・パリソット
脚本:クリス・マシスン/エド・ソロモン
音楽:マーク・アイシャム
出演:キアヌ・リーヴス/アレックス・ウィンター/クリステン・シャール/サマラ・ウィーヴィングウィリアム・サドラー 他
★★★☆☆


この映画にちょっと救われました

「ビルとテッド」シリーズの約30年ぶりの続編、なんですが、まるで2~3年ぶりくらいの続編か?と思うような地つづき感がすごい作品です。

※以下、本作の内容に触れておりますので、鑑賞後にお読みいただくことをお勧めします。

例えば、最初はビルの義母として登場し、その後、テッドの父親と再婚した女性が、本作の冒頭の結婚式ではテッドの弟と結婚するというギャグなど前2作を観ていないとわからないだろうし、たとえ観ていても皆とっくに忘れているんじゃないかと思うんですが、当然のように繰り出してくるから大胆。また、主役の二人やその他の登場人物も多少フケただけで全然変わっていない、ように見えるのも凄みを感じさせます。50過ぎてもバカ面で「エクセレント!」とか言ってるのがいまだに似合うキアヌ・リーヴスとアレックス・ウィンターはもちろん、現在70歳のウィリアム・サドラーが演じる「死神」も全く実年齢を感じさせず、本当に素晴らしい。
話の内容も前2作同様に見事なまでにアホらしく、何しろタイムスリップネタなのに整合性をとろうなどと一切していないところにシビれる。尖ったところが全くない、ひたすら生ぬるいコメディであることを、この2020年代においても頑として貫き通しており、もはや伝統芸能のような風格さえ感じます。
でも、ラストの文字通り音楽によって世界がひとつになるシーンで、不覚にも少々感動しました。やっぱり僕もこのコロナ禍によって結構ダメージを食らっているんだなあと自覚させられましたよ(ちなみに本作を観たのは昨年の12月30日)。音楽で世界を救えるかどうか、実際のところは疑わしいですが、少なくともこの映画は僕をちょっと救いましたね。